2008年12月31日水曜日

終末は黒

色溶時
見上げる空に
星と月
星への願い
月への祈り

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月29日月曜日

唐饅は茶

とうまんを
食べて懐かし
冬の朝
霜柱折る
足の思い出

(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))

2008年12月28日日曜日

重複は無

重ね行く
日々の命の
切なさよ
去年の今も
磨いた床に

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月27日土曜日

雑巾は黒

美しさ
汚れた水では
招けない
払うと落ちる
黒の救いよ

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月26日金曜日

窓拭は水

窓磨き
行ったり来たりの
手の内に
行ったり来たりの
今年が映る

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月25日木曜日

三太は白

儚さに
嘆くまもなく
行く夜に
轌と流れる
サンタの祈り

(『十二月は充分に』(出版未定))

うちの女サンタがくれた『すごい空のみつけかた』。なかなか子供の気持ちが分かっている(笑)

2008年12月24日水曜日

形式は黄

ここまでしか…、
どこまで?
愛の存在形式の
物足りなさと
儚さよ

(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))

2008年12月23日火曜日

唄詩は白

瞬間に行きすぐ唄を
追いかけて
行き着く場所は
無音の彼岸

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月22日月曜日

睡眠は無

舞う蝶になる
戦火の恋人や
海の底の貝
いつでも
それらであることを
確認する
眠り

(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

2008年12月19日金曜日

青空は青

解き放たれて
仰ぎ見る空の
その青さ
心の色の
鏡ならでは

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月18日木曜日

薄雲は灰

午後三時
千切れたような
雲の間に
薄ら笑いの
青空が
ちら

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月17日水曜日

年末は赤

朝晩の
寝るや起きるや
繰る中に
すと入り込む
年の瀬の色

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月16日火曜日

散歩は白

散歩まで
あと何秒で
散歩まで
静かな冬の空気
待ちわび

(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

2008年12月15日月曜日

笑止は白

立ち尽くす
色の斑に
惑い居り
惑う自分を
楽しみ笑い

(『日曜は笑って』(出版未定))

2008年12月14日日曜日

足食は水

フィッシュ浴
何のことやら
分からずば
差し入れてみよ
されば喰われん

(『日曜日には笑って』(出版未定))

近くの街の温泉で連れが「フィッシュ浴」を。
魚が足の角質を食べに群れ集まる…

2008年12月13日土曜日

待望は闇

待ち尽くす
世の闇の暗さ
打ち消すごとく
開く扉の
儚さよ

(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

2008年12月12日金曜日

伊勢は赤

酔い集う
日毎日ごとの
繰り返し
無名の我に
慰め要らず

(『酔っ払いのうた』(出版未定))

2008年12月11日木曜日

冬色は茶

武蔵野も
朝の光に
色を潜め
来る春緑の
キャンバスとなり

(『武蔵野』(出版未定))

2008年12月10日水曜日

提灯は宵

夕まぐれせまる
会議の終わる頃
そわそわ時間
提灯時間

(『酔っ払いのうた』(出版未定))

2008年12月8日月曜日

忘年は白

忘られぬ
千代の契りぞ
打ち捨てて
明日の希望を
望み夢見て

(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))

2008年12月7日日曜日

複酔は黒

嗚呼
世の中は苦痛だ
二日酔いは厚い
朝の缶コーヒーも
熱い

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月6日土曜日

話競は黄

言葉を話すことを競う
言葉、を競うことは選択
それをとると残るは、話す
話す、とは伝えること

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月4日木曜日

遅宅は桃

繰り返す
「ちょっとだけね」の
呑みメール
守れないなら
わざわざ書くな

(『メス犬のひとりごと コラボラーダ・コン 酔っ払いのうた』(出版未定))

2008年12月3日水曜日

日暮は灰

冬日暮
沈む夕日の
せわしなさ
待てよ待てよと
薄日の間に間に

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月2日火曜日

現実は冬

シュールとは
現実超える
精神か

冬のシュールな
彩り眺め

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年12月1日月曜日

紅葉は朱

紅もみじ
落ち込む池の
鏡面に
恥じらいながら
我が朱をのせて

(『十二月は充分に』(出版未定))

2008年11月29日土曜日

新宿は闇

戻り行く
時空を裂いて
遥かな記憶
酒のしずくに
熱を感じて

(『酔っ払いのうた』(出版未定))

2008年11月28日金曜日

宵越は黒

残る酒
頭をもたげて
息を吐く
寒空の風に
酌するつもりで

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月25日火曜日

花咲は無

花は咲かせる、から
花は咲く、そして
花はあるのだ、へと

(『教室のうた 1』(出版未定))

2008年11月24日月曜日

黄色は秋

黄色が秋
澄み渡る朝に
映えるは黄色
秋の黄色
黄色

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月19日水曜日

銀杏は黄

脇行く男学生(おとこ)の
「…きれい…」
の先は
青空しょった
銀杏の鮮やか

(『教室のうた 1』(出版未定))

2008年11月18日火曜日

握飯は赤

昼毎に
微かに違う
固さ噛み
君の手付きを想う
飯粒

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月17日月曜日

薄雲は白

薄くもり
淡い光の
静けさに
浅い疲れを
微睡み眠り

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月16日日曜日

陶芸は白

焼き上がる
白の器に
よそわんは
酒の滴か
言葉の水か

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月15日土曜日

絵画は紫

名にし負う
かなたの天才
来たり見て
そのキャンバスに
誰を探すや

(『ピカソの憂鬱』(出版未定))

2008年11月14日金曜日

正気は空

正気なり
その正気なる
有り様が
正気の沙汰に
有らざるや、いかに

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月13日木曜日

仰天は水

同じ空
昨日も明日も
青い空
見るも見ずとも
死ぬも生きるも

(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))

2008年11月12日水曜日

冬到は白

今日が冬の
始まりなりと
繰り返す日の続いては
冬ぞ来るなり

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月10日月曜日

視界は黒

振り向けば
そこにあるのに
気付かない
人に
叩いて起こされるまで

(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))

2008年11月8日土曜日

墓参は水

青空
歩く
手に花
桶に水
墓石
線香
合掌

想い出

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月7日金曜日

親戚は黒

血の道は
他人身内は
世も知れず
長い流れの
赴くがまま

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月6日木曜日

秋花は黄

秋に咲く花を見て
春を想い
冬を越える力で
春を待つ

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月4日火曜日

学祭は赤

作品は
手を離れたら
歩き出す
心配要らぬ
心配要らぬ

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年11月2日日曜日

街角は風

曲がり角
曲がったら、ふと
冬の気配
木枯らしの舞う
枯れ葉の舞台

(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

2008年11月1日土曜日

呑介は赤

江戸にある
酒をさまざま
呑み尽くし
江戸の酒屋の主に
誉めらる

(『十一月は準備して』(出版未定))

2008年10月31日金曜日

拍子は灰

ツェッペリン
高田渡に
矢野顕子
ワナホラララブ
ワナホラララブ

(『十月の選択』(出版未定))

2008年10月30日木曜日

大宮は緑

冬の入り
足を伸ばした
高校で
17相手に
また繰り返す

(『十月の選択』(出版未定))

2008年10月29日水曜日

大皿は白

器やかん
釜フライパン
中華鍋
河童の皿さへ
ここにあるかな

(『十月の選択』(出版未定))

2008年10月27日月曜日

刃物は白

研ぎ澄ます毎に
切れなくなる

それで切るのが
自分であれば

(『十月の選択』(出版未定))