2009年8月27日木曜日

中央は緑

いざや昔
緑深まる
関ケ原
もののふ共が
東や西に

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月24日月曜日

囃子は白

照る闇の
隙を埋め行く
宵踊り
夏の終りを
音に乗せ飛ばし

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月10日月曜日

忘却は無

あれ、忘れた
ほらさっきまであった歌を
酒が喉中
流れるままに

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月7日金曜日

旧友は赤

犬が言う
うちなんだとて
ないちとて
吠える酒呑みゃ
酔ってよいよい

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月6日木曜日

再会は桃

道のりと季節を隔て
飲む酒は
百代も前の
ここでの誓い

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月4日火曜日

麦酒は金

町の窓の数だけ
生きる命よ
泡沫の
弾く数より
多し少なし

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月3日月曜日

視線は銀

変わらない朝の駅前
灰景色
アルゼンチンの眼で
焼直し

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月1日土曜日

花火は朱

音が追い
散り行く火花を
初恋の終わりに見たり
夏雄花

(『八月の花』(出版未定))