2009年12月26日土曜日

聖夜は白

『とびっきりじゃ
ないけど
いつものクリスマス』
僕の思想が伝わり実る瞬間

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年12月25日金曜日

聖夜は紺

聖なる夜に
あなたの目に見ゆ
光景を
我が目に映せよ
サンタに祈り

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年12月21日月曜日

大嫌は黒

大嫌い、
綴るあなたの
メール読み
返す返事は
知らぬ振りして

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年12月14日月曜日

寝息は白

手の中の
白い寝息に
数えおる
あなたのリズムを
乱した時間

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年12月13日日曜日

峯崎は黒

別れるや
別れないやの
その峰は
遠の昔に
越え来たはずの

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年12月10日木曜日

反射は白

絵の中の
人の眼(まなこ)に
筆を持つ
あなたの顔の
映るを探し

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年12月9日水曜日

輪郭は黒

君の描く
ものの輪郭(かたち)は
そをなぞる
心の筆の
愛の写しよ

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年12月4日金曜日

未来は白

未来に行き
それを探る
言葉
過去に戻り
それを確かむ
記憶

(『十二月の十戒』(出版未定))

2009年11月16日月曜日

雨後は白

必然と思ひし
出逢いは
波の間に
偶然(つかのま)見えた
夏の幻

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年11月15日日曜日

木枯は赤

枯れ葉舞う
木枯らし色の
公園で
赤く色付く
恋もありけり

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年11月11日水曜日

焼鳥は茶

もくもくと
焼き鳥の火に
燻されて
もくもくもくと
焼酎を飲み

(『十一月は重症の』(出版未定))

2009年11月9日月曜日

破滅は黒

静かなる
破滅という名の
終焉を
砕き砕いて
日々に散らして

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年11月7日土曜日

別離は水

思い詰めし
夜の涙は
尽きもせず
別れの準備も
酒に流れて

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年11月6日金曜日

芳香は白

ないはずの
花の匂いが
したと言う
空に広がる
貴女の匂いよ

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年11月5日木曜日

麦酒は赤

缶ビール
汝が手に取りし夜の
朱の色を
飲めず眺める
宵の疲れよ

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年11月1日日曜日

乗換は白

いたはずの風景に
いないあなたをはめ込んで
またたく恋模様

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年10月30日金曜日

繊細は黒

今日もまた
繊細という
鈍感に打ちのめされて
酒を酌み居る

(『十月の充足』(出版未定))

2009年10月12日月曜日

後生は赤

歌にいう
「生まれ変わって出会うこと」
笑い過ごせぬ
秋の黄昏時(たそがれ)

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年10月10日土曜日

同名は茶

親が子を呼びおり
雀の朝仕度
同じ名前に
振り向く街角

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年10月9日金曜日

音符は涙

ラブソング
会えない貴女を
思いつつ
音符の数を
涙に似せて

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年10月8日木曜日

芳香は黄

におえども
姿も見えず
金木犀
いる筈もない
あなたの面影

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年10月7日水曜日

手紙は白

開くたび
受信ボックス埋めつくす
君のメールを
消せぬこの朝

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年10月6日火曜日

記憶は白

必然と思いし
出逢いも
別れては
偶然の砂浜の
一粒

(『いとしのエリィ』(出版未定))

2009年10月5日月曜日

浪速は橙

ふと覗けば
粗い粒子の間に
夏の色が溶けて
熱気を抱き
我を襲えり

(『十月の充足』(出版未定))

2009年9月23日水曜日

秋口は黄

茜まえ
「もういいかい」
垣根の向こうで
「まぁだだよ」
垣根を越えて
我を呼ぶ声

(『9月の空気』(出版未定))

2009年9月20日日曜日

恋愛は白

あの頃を想い
「大好き」が
「好き」にかなわぬことを
また確かめ居り

(『九月の空気』(出版未定))

2009年8月27日木曜日

中央は緑

いざや昔
緑深まる
関ケ原
もののふ共が
東や西に

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月24日月曜日

囃子は白

照る闇の
隙を埋め行く
宵踊り
夏の終りを
音に乗せ飛ばし

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月10日月曜日

忘却は無

あれ、忘れた
ほらさっきまであった歌を
酒が喉中
流れるままに

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月7日金曜日

旧友は赤

犬が言う
うちなんだとて
ないちとて
吠える酒呑みゃ
酔ってよいよい

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月6日木曜日

再会は桃

道のりと季節を隔て
飲む酒は
百代も前の
ここでの誓い

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月4日火曜日

麦酒は金

町の窓の数だけ
生きる命よ
泡沫の
弾く数より
多し少なし

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月3日月曜日

視線は銀

変わらない朝の駅前
灰景色
アルゼンチンの眼で
焼直し

(『八月の花』(出版未定))

2009年8月1日土曜日

花火は朱

音が追い
散り行く火花を
初恋の終わりに見たり
夏雄花

(『八月の花』(出版未定))

2009年7月29日水曜日

低音は黒

蝉の出す
重層低音背に受けて
空間に舞う
ペンのスタッカート

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月28日火曜日

夕飯は黄

遠き地の
味を誠に味わえば
風に添えらる
サフラン黄の

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月24日金曜日

花火は赤

七色の光を垂らし
夏の黒
弾ける音も
闇に滲みて

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月23日木曜日

夏曇は灰

夏曇り
照らぬ陽のもと
なほ冷めぬ
残る熱気を
持て余しおり

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月22日水曜日

汗水は青

雨も止み
拭うハンカチ
せわしくて
あれよあれよと
夏来にけらし

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月21日火曜日

宵呑は白

梅雨明けの
夕の曇りの湿り気の
露を集めて
グラスの面に

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月20日月曜日

夏色は緑

夏の風
緑の球に
反射して
万世を巡りて
月夜の闇へ

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月17日金曜日

夏風は青

扇風機
くるくる回る
羽の間に
時々見える
あなたが好きの目

(『飼い主の戯れ言』(出版未定))

2009年7月15日水曜日

熱射は白

正午前
緑の白を反射し居り
涼やかなる
やや暑さの盛りの

(『七月の質』(出版未定))

2009年7月4日土曜日

生活は黒

人ひとりの
鼓動と
息の出入り
生き方の妙
生活の柄

(『七月の質』(出版未定))

2009年6月26日金曜日

頻飲は赤

酒の音は
幾年前の
若岩の
抱く滑りを
富めど流して

(『六月の六角』(出版未定))

2009年6月23日火曜日

冷房は白

夏調べ
スポットライトの
強烈に
低く唸るは
冷房の風

(『六月の六角』(出版未定))

2009年6月20日土曜日

金色は金

宵口の
ビルの光に
照らされて
手元のビルも
金色陽色

(『六月の六角』(出版未定))

2009年6月19日金曜日

似顔は茶

嫁ぎ来た
ペットショップの
あんちゃんに
父親似だと言われた犬
ぬ?

(『六月の六角』(出版未定))

2009年6月17日水曜日

屹立は白

並立つ
固き壁らよ
なぞよそれ
中の暗さを
空に託さん

(『六月の六角』(出版未定))

2009年6月16日火曜日

寝枕は水

寝る頬と
枕の形を
整えて
夢の扉を
やわりと押せば

(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

2009年6月15日月曜日

楽器は黒

銀の弦
あの頃聴いた
音をなぞりて
十五の指を
動かしてみる

(『高中正義はいつ?』(出版未定))

2009年6月14日日曜日

切株は茶

切り株の
上に芽生えた
命見て
傍らの犬を
儚げに

(『六月の六角』(出版未定))

2009年6月13日土曜日

籠中は夏

メルセデス
ビーエムオペルも
いいけれど
週末に乗る
チャリンコの味

(『メス犬のひとりごと』(出版未定))