2010年5月30日日曜日

薔薇と風景

薔薇が美しい季節だ。…というには少し過ぎたか。


大学の構内にもきれいなバラが。
見るからに薔薇、というバラだ。


「薔薇」という漢字は、バラの花びらの複雑さを思わせてよい。

景観、
というのは総合的なものだ。我々人間までも含んでしまう。
時々、スペインの街並を見ながら、どこをどう換えたら、日本、になるだろう、と想像する。


見る角度によってや瞬間的な光景は、日本のものに見えることも少なくはない。
もちろん、見る側が、ここはスペインだ、という徹底的な先入観を持って判断しているんだから、かなり難しい想像ではある。

建物の色、建物の高さの均一性。
電柱の有無、店の看板の出し方。
道幅の広狭、道路脇の植物の種類。
窓際には洗濯物を出さない。

考えればきりがないのだが。

今日、こゆきと散歩しながら連れ合いとも話した。
ふたりでピッタリ一致したのは、やはり空の広さ。
これが一番異なる。
これは、上で挙げたかなりの要素と実はリンクしている。

田舎でも日本は山がちなので、この広さはないんだよな。
広大な関東平野は、ね。承知の通り人工的なヤマがね。

奈良辺りの平城京の名残の神社仏閣の空が、僕の中ではスペインの空に近い。

昔の空はみんなこうだったか。
見上げれば、それだけで、そこで自分と世界がぶつかったり、交じりあったりしたんだな。
夜はどれほど恐ろしかったろう。