2010年8月4日水曜日

気持と効果

思い、は伝わらないことの方が多いでしょう。
特に若い人々よ。
それは言葉、を過信しているということもあるし、言葉と仲良くなっていない、ということもある。色んな経験が足りない、ということだってある。

伝わらないとき。
言葉は基本的に「鳴き声」。
音のまま、だ。


オオカミが遠吠えすると、つられて他のオオカミも吠える。
あれ、だ(笑)
いや、あれは本当は大きな意味を持っているかもしれないね(笑)

10年弱前に、ある歌手の歌をスペイン語に翻訳する仕事をしたときに。
「浜ゆり」という言葉がスペインにはないので、つまり、その植物がスペインにはない(ホントはあるかもしれない)ので、どうしようと思い。
「Kaki(柿)」のように「Hamayuri」とした。
色んなテクニックがあるとは思うが、例えば似た系統の植物名にして、注を付けるとか。
特に歌ならば音の響きがエキゾチックでよいだろうと思い。

意味を共有しないとき、言葉は、音、になる。


来た当初、雑音ばかりでいやだぁ〜、と言っていた連れ合いが、色んな言葉が聴こえるようになってきたと。
これを、分節、という。フランスの言語学者マルチネが作った概念だ。
連続した音を区切って、意味のある単位と見なす。

本当は言葉以前にもこの分節機能はある、と思っている。
動きや、習慣にも。
うまく言葉にできないので、これ以上は分かってから書きます。


数日前、大学院時代の先輩で、今、M大学に勤めているOさんがひと月の研究休暇でマドリードに来た。
奥様と愛娘のKちゃんと。
Kちゃんは小さいときからスペインに来ているのでもう色んな単語をスペイン語でいう。
しかしそれ以上に僕らとは違った仕方でスペインを認識しているな、と感じた。
知りたい、分かりたいが、もう僕らにはできないやり方で…。


今、
マドリードの大きな通りの一部にはこんな日よけが掛けられている。
こんなの役に立つの?、と思うかもしれないが。
これが結構、スペインの日差しには、効くんだなぁ。