2014年3月2日日曜日

日曜夜話(1):じゃがいも


20年前、N氏が大学院生控え室で同僚と交わした話だ。
N氏「昨日カレーを作ったんですがね」
T女史「へー、N君自炊するの?」
N氏「はい、時々ですけど、気が向いたときに」
T女史「で?」
N氏「いや、カレーとか、シチューとか、豚汁とか、具材を剥いて、切るのが大変ですよね。あとはなんでもないですけど。で、一番厄介なのがじゃがいもなんですよ。でこぼこしてるから」
T女史「ピーラーでやっちゃえば楽よ」
N氏「いや、だって、男の一人暮らしにピーラーは、ね。そこまでは。
それで、ま、頑張って何個も剥いてるとね、最後の方は疲れて皮が分厚くなってって。そこでね、考えたんですよ」
T女史「なによ」
N氏「じゃがいもを半分に切ったことで、剥いてることになるんじゃないの、って。
だって、考えてみて下さい。剥いている皮がだんだん分厚くなってって、で、最後に」
T女史「……なに言ってんの」
N氏「いや、もっと言っちゃうと、洗ってまな板の上に置いて、これで剥けた!、でも」
T女史「は?は?」
N氏「ねぇ、Mさん、そう思いません?」
M女史「えー、私、ジャガイモ剥くのうまいもん」