コンクリの
硬き扉を押しやらば
青葉さざめく
柔稲(にゅうな)の招き
(『五月の心』(出版未定))
東海道
車窓の景色を
追い越して
君への思い
希望の轍
(『新幹線の乗り心地』(出版未定))
日陰咲く、日向の内に
静寂生る、騒ぎの中に
歩き居るわれ
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))
酔いざめの水を
つるりと飲み込めば
夕べの酒の反省
終わる
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
そよ風が
夏の気配を運び来る
小鳥がおしゃべり
あす晴れるかな
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))
光る海
寄る細波に
カモメ雲
砂浜巡りて
振り向けば青山(やま)
(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))
死に果てて
人は朽ちても
土地(ふるさと)は
永遠に息づき
我に語らん
(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))
爪切りは
あんまり好きじゃないけれど
月に一度の
散歩 de 吉ブラ
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))
雨音の
やけに沁みるは
丑三つの
次の短歌の
音ぞ練るとき
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
初夏の朝
三十年乗りつ
白波に
取り残されて
足元を見る
(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))
皿、洗う
洗わなければ
皿、たまる
人生は
この繰り返しかな
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
季節外れの台風が憎し月曜日
出口から捨て場に
ダッシュ!
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
郷に入らば
胃袋までも
その感じ
鶏まるごとの
弔い晩餐
(『スペイン恋歌』(出版未定))
太陽の光の畝間(うね)が導くは
遠き西ぞら
スペインの蒼(あお)
(『スペイン恋歌』(出版未定))
ドライブで
少し遠出も
いいけれど
三人でいく
公園が好き
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))
ふと見れば
いつもの道に春の花
ちょっぴり寄り道
ぽかぽか陽気
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))