書き物仕事の足元に
何の番をしおる君
風を見つめて
(『飼い主の戯れ言』(出版未定))
駅を出て
仰ぎ見る
風吹かずして
雲あり
静止画のような空
(『七月の空』(出版未定))
狭き画面の
向こうのあおは
西の空
歩き疲れた
吾を探しおり
(『スペイン恋歌』(出版未定))
茜空
その透明な
赤色を
我が部屋までも
注ぎおり
赤
(『七月の空』(出版未定))
夏祭り
ほろ酔い気分の
宵歩き
祭り囃子に
囃しはやされ
(『七月の空』(出版未定))
言葉を流す
クラスの川に
滔々と
気付いたら
吾も川流れ
(『教室のうた 1』(出版未定))
「すべてある」
ロゴスの力で
知れてはおれど
目の当たりにして
戸惑いまどう
(『七月の空』(出版未定))
ひとり飲み
時間値段を
読みながら
苦笑いなり
読めぬ自分に
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
うたいつつおり
繰り返す歌詞の饒舌が
君のリズムに
追い付かず鳴り
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
どんな歌
いつ歌えども
赤、赤、赤
赤に染めて
赤のかおりで
(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))
二十年
何度聴いたか分からねど
その度に違う
あいつを見たり
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
真夏の日向ぼっこ
キラキラの光のもと
白い風感じて
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))
軒下で
赤いひかりがぶらぶらと
ぶらぶら気分の
我らを誘い
(『酔っぱらいのうた』(出版未定))
あの夏の
立ち上がる熱気と香り
我が胸に、つと
苦味が走り
(『スペイン恋歌』(出版未定))
書く人の
気持ちをどれだけ読み込むか
愛情の他のデバイスはなし
(『教室のうた 1』(出版未定))
カイギアリ
カヨウノユウノ
ヨイドキニ
スワリツカレテ
カイギアリケリ
(『七月の空』(出版未定))
時間という
記号を横になぞらえて
ロゴスの道筋を眺めおる
(『七月の空』(出版未定))
空の下
病も天の道なりと
朝の植木に水をやり居り
(『七月の空』(出版未定))
呑むという
行為の充つる
その際 (きわ) は
君と僕との
細胞の膜
(『教室のうた 1』(出版未定))
花の種類も違うれど色も形もかくありて
ましてや見えぬ人の道なら
(『スペイン恋歌』(出版未定))
×(ちょめ)×値
××率の
その"1"は
なんの基準で
吾を責めあぐむ
(『ヘルスメータの怪』(出版未定))
システムや制度の壁は
生きやすくするためのバイアスなり
笑え!
(『七月の空』(出版未定))
たれそかれ
せがまれ出でた
散歩道
散歩せらるる
吾に気付き居り
(『飼い主の戯れ言』(出版未定))