今日もまた
繊細という
鈍感に打ちのめされて
酒を酌み居る
(『十月の充足』(出版未定))
歌にいう
「生まれ変わって出会うこと」
笑い過ごせぬ
秋の黄昏時(たそがれ)
(『いとしのエリィ』(出版未定))
親が子を呼びおり
雀の朝仕度
同じ名前に
振り向く街角
(『いとしのエリィ』(出版未定))
ラブソング
会えない貴女を
思いつつ
音符の数を
涙に似せて
(『いとしのエリィ』(出版未定))
におえども
姿も見えず
金木犀
いる筈もない
あなたの面影
(『いとしのエリィ』(出版未定))
開くたび
受信ボックス埋めつくす
君のメールを
消せぬこの朝
(『いとしのエリィ』(出版未定))
必然と思いし
出逢いも
別れては
偶然の砂浜の
一粒
(『いとしのエリィ』(出版未定))
ふと覗けば
粗い粒子の間に
夏の色が溶けて
熱気を抱き
我を襲えり
(『十月の充足』(出版未定))