必然と思ひし
出逢いは
波の間に
偶然(つかのま)見えた
夏の幻
(『いとしのエリィ』(出版未定))
枯れ葉舞う
木枯らし色の
公園で
赤く色付く
恋もありけり
(『いとしのエリィ』(出版未定))
もくもくと
焼き鳥の火に
燻されて
もくもくもくと
焼酎を飲み
(『十一月は重症の』(出版未定))
静かなる
破滅という名の
終焉を
砕き砕いて
日々に散らして
(『いとしのエリィ』(出版未定))
思い詰めし
夜の涙は
尽きもせず
別れの準備も
酒に流れて
(『いとしのエリィ』(出版未定))
ないはずの
花の匂いが
したと言う
空に広がる
貴女の匂いよ
(『いとしのエリィ』(出版未定))
缶ビール
汝が手に取りし夜の
朱の色を
飲めず眺める
宵の疲れよ
(『いとしのエリィ』(出版未定))
いたはずの風景に
いないあなたをはめ込んで
またたく恋模様
(『いとしのエリィ』(出版未定))