2010年6月12日土曜日

音楽と年齢

若くないといけない、とか、歳を重ねないといけない、という言説に対しては、芸術は年齢ではない、と言うことができる。
だけど、芸術は最終的に人間性だ、という時には、なにか年齢が絡んでいるように見える。

水曜日の夕方に Suma Flamenca というタイトルの一連の公演のひとつ、Manolo Sanlúcar のギターを聴いてきた。
また忘れられない演奏に出会った。
研ぎすまされた、という演奏では決してない。
前日に左半身の麻痺をもたらす発作があったらしい。

演奏の前半は、確かに、もどかしそうに弾いているというのが素人目にも分かった。
しかし、後半は。
繊細で且つ大胆。この言葉は、曖昧に素晴らしいものをさすときに便利だ(笑)
しかし、そのものであった。

フラメンコギターというのは、その力強さ故に、その強さをアピールするが故に、雑な演奏になったものを聴くことはままあることだ。
バランスなのである。
繊細な音の粒の連打と、かき鳴らすあのラスゲアードの騒音の。

そして演奏の間につぶやく、あの言葉。
高田渡を彷彿とさせる(笑)、プロの言葉。


しばらく聴き込んでみようと思う。

5 件のコメント:

  1. Mixiのpepeです。

    Manolo Sanlúcar まだご存命だったんですね。
    『al viento』っていうアルバムをむかし聞きまくっていましたので、いまでもそのクリアな音が脳裏をかすめます。

    返信削除
  2. > pepeさん

    そうですか。聴いてましたか。
    恥ずかしながら、僕は初めて聴いたので、本当にビックリしました。
    いいですねぇ。
    芸術に対する姿勢にも共感しました。

    返信削除
  3. そうですね。
    天秤に載せる物の違いはあれ、何事もバランスですよ。
    音楽に限らず、絵画、料理などでもね。

    とは言っても、載せる条件次第でバランスの感じ方も変わる。
    年齢や、個人の好みによっても違うしね。
    それに人間性や人生観などを加えると、バランスの構造がより複雑になって、訳がわからなくなっていまう。

    で結局、自分の感性が頼りってことになるのかなあ。

    返信削除
  4. > きりやんさん

    バランス。
    一言でいうと、一言なんですが。
    何事もバランスで、何事もそのバランスをとるのは難しいですよねぇ。

    返信削除
  5. そうでうね。難しいですね。
    だからこそ探求する意味あるんでしょうけどね。

    返信削除