2010年6月12日土曜日

音楽と年齢

若くないといけない、とか、歳を重ねないといけない、という言説に対しては、芸術は年齢ではない、と言うことができる。
だけど、芸術は最終的に人間性だ、という時には、なにか年齢が絡んでいるように見える。

水曜日の夕方に Suma Flamenca というタイトルの一連の公演のひとつ、Manolo Sanlúcar のギターを聴いてきた。
また忘れられない演奏に出会った。
研ぎすまされた、という演奏では決してない。
前日に左半身の麻痺をもたらす発作があったらしい。

演奏の前半は、確かに、もどかしそうに弾いているというのが素人目にも分かった。
しかし、後半は。
繊細で且つ大胆。この言葉は、曖昧に素晴らしいものをさすときに便利だ(笑)
しかし、そのものであった。

フラメンコギターというのは、その力強さ故に、その強さをアピールするが故に、雑な演奏になったものを聴くことはままあることだ。
バランスなのである。
繊細な音の粒の連打と、かき鳴らすあのラスゲアードの騒音の。

そして演奏の間につぶやく、あの言葉。
高田渡を彷彿とさせる(笑)、プロの言葉。


しばらく聴き込んでみようと思う。