しかし、こゆきが生き生きしてる。
三鷹のうちに帰って来てから。
我が家、というか。
こここそ、自分の居場所だ!という。
散歩もうれしくて。
ベランダに出て道往く人を眺めるのが楽しくて。
もう、それが態度に表れっぱなしなのだ。
これほど顕著に分かるとは思わなかった。
でも、分かるんだな。
人間より鋭い帰巣本能を持って。
帰りたくても帰れない海の向こうから帰って来た。
帰るところがなくなる、ということも考える。
スペインでは珍しい推理小説作家が。
「人は居なくなるが、故郷は残る」
という文を書いていたのを思い出す。
故郷がなくなる、帰るところがなくなる、という苦悩は。
どれほどのものか…。
まだまだ、我が家では皆。
時差ぼけが少し残っていて、しかし。
スペインで、よりも穏やかに眠る女子たち…。
という眼は、あながち間違っていないと思う。
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