
あの色は
桜の色か
ま白にて
烏がかあで
薄闇に映え
(『四月の漆黒』(出版未定))

蝶が舞う
空気の襞に
羽を刺し
その鱗粉を
空に滲ませ
(『四月の漆黒』(出版未定))

春、桜
お酒を囲み
見る花の
花の香りは
絶えず驕らず
(『三月は燦々と』(出版未定))

詩を選(よ)る
書き止められた
瞬間の
リズムと景色
諦めきれず
(『三月は燦々と』(出版未定))

古の匠の築く
木の色は
言葉の紡ぎに
似たりて
目眩
(『三月は燦々と』(出版未定))

つと不意に
降りくる眠り
まぶた指し
春であろうが
朝であろうが
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

照らされる
手彫り唐草
細密の
栃木で見るは
などかグラナダ
(『三月は燦々と』(出版未定))