
町の窓の数だけ
生きる命よ
泡沫の
弾く数より
多し少なし
(『八月の花』(出版未定))
変わらない朝の駅前
灰景色
アルゼンチンの眼で
焼直し
(『八月の花』(出版未定))
音が追い
散り行く火花を
初恋の終わりに見たり
夏雄花
(『八月の花』(出版未定))
蝉の出す
重層低音背に受けて
空間に舞う
ペンのスタッカート
(『七月の質』(出版未定))
遠き地の
味を誠に味わえば
風に添えらる
サフラン黄の
(『七月の質』(出版未定))

七色の光を垂らし
夏の黒
弾ける音も
闇に滲みて
(『七月の質』(出版未定))

夏曇り
照らぬ陽のもと
なほ冷めぬ
残る熱気を
持て余しおり
(『七月の質』(出版未定))