
ないはずの
花の匂いが
したと言う
空に広がる
貴女の匂いよ
(『いとしのエリィ』(出版未定))

缶ビール
汝が手に取りし夜の
朱の色を
飲めず眺める
宵の疲れよ
(『いとしのエリィ』(出版未定))

いたはずの風景に
いないあなたをはめ込んで
またたく恋模様
(『いとしのエリィ』(出版未定))

今日もまた
繊細という
鈍感に打ちのめされて
酒を酌み居る
(『十月の充足』(出版未定))

歌にいう
「生まれ変わって出会うこと」
笑い過ごせぬ
秋の黄昏時(たそがれ)
(『いとしのエリィ』(出版未定))

親が子を呼びおり
雀の朝仕度
同じ名前に
振り向く街角
(『いとしのエリィ』(出版未定))

ラブソング
会えない貴女を
思いつつ
音符の数を
涙に似せて
(『いとしのエリィ』(出版未定))