
甘かろう
酸っぱかろうや
甘かろう
路地の初もの
初の路地もの
(『九月のため息』(出版未定))

帰り道
そぼ降る雨に
逆らえず
うながさるまま
ほろ酔いのまま
(『九月の再会』(出版未定))

出るときも
入るときにも
行ったり来たり
黒い靴
玄関で待つ
(『九月のため息』(出版未定))

夏は宵
恨めしいのは
この熱気
あたしと君との
何気ない距離
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

深い底に漂う疲労を眠る
滝に舞い散る飛沫を浴びて
(『陸奥も』(出版未定))

軒の間を
くぐり出れば
徐に
寄せる土地の名
金の細波
(『陸奥も』(出版未定))

どの道も同じなり
みな
陸奥も
始まりを持ち
終わりを嘆くは
(『陸奥も』(出版未定))