
妻がいう
「芳香剤のいらない季節」
漂う夜の金木犀の
(『十月の選択』(出版未定))

人に気付いて
人を避け
人であることに、
は、とする
この日
(『教室のうた 1』(出版未定))

秋高し空に
手を差し上げ
つかむ
水色の上
貼り付いた雲
(『十月の選択』(出版未定))

空高し
光る緑も影を増し
落つる光を
受けきれずおり
(『武蔵野』(出版未定))

うらめしや
落ちくる雨が
名残を惜しみ
ふわり漂う
秋の宵
(『十月の選択』(出版未定))

言葉の裏
表は見えねども
かの人を想いて
なお精読(あいぶ)して
(『教室のうた 1』(出版未定))

乱れ髪
寝ぼけまなこに
傘の花
ひと雨ごとの秋
忍び寄る
(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))