2008年10月12日日曜日

漂香は朱

妻がいう
「芳香剤のいらない季節」
漂う夜の金木犀の

(『十月の選択』(出版未定))

2008年10月11日土曜日

一息は銀

人に気付いて
人を避け
人であることに、
は、とする
この日

(『教室のうた 1』(出版未定))

2008年10月10日金曜日

秋空は水

秋高し空に
手を差し上げ
つかむ
水色の上
貼り付いた雲

(『十月の選択』(出版未定))

2008年10月9日木曜日

濃緑は緑

空高し
光る緑も影を増し
落つる光を
受けきれずおり

(『武蔵野』(出版未定))

2008年10月8日水曜日

湿気は灰

うらめしや
落ちくる雨が
名残を惜しみ
ふわり漂う
秋の宵

(『十月の選択』(出版未定))

2008年10月7日火曜日

講読は白

言葉の裏
表は見えねども
かの人を想いて
なお精読(あいぶ)して

(『教室のうた 1』(出版未定))

2008年10月6日月曜日

傘花は紺

乱れ髪
寝ぼけまなこに
傘の花
ひと雨ごとの秋
忍び寄る

(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))