
ここまでしか…、
どこまで?
愛の存在形式の
物足りなさと
儚さよ
(『セニョール・ホニの涙』(出版未定))

瞬間に行きすぐ唄を
追いかけて
行き着く場所は
無音の彼岸
(『十二月は充分に』(出版未定))

舞う蝶になる
戦火の恋人や
海の底の貝
いつでも
それらであることを
確認する
眠り
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))

解き放たれて
仰ぎ見る空の
その青さ
心の色の
鏡ならでは
(『十二月は充分に』(出版未定))

午後三時
千切れたような
雲の間に
薄ら笑いの
青空が
ちら
(『十二月は充分に』(出版未定))

朝晩の
寝るや起きるや
繰る中に
すと入り込む
年の瀬の色
(『十二月は充分に』(出版未定))

散歩まで
あと何秒で
散歩まで
静かな冬の空気
待ちわび
(『メス犬のひとりごと』(出版未定))