2010年10月13日水曜日

事実と深読

ウンベルト・A子、じゃない(笑)エーコの本に「読みと深読み」とかいうタイトルがあったような。

「読み」という言葉から、文字を読むことを一番に連想するように。
恐らく僕らは音声情報を読む方が、映像情報を読むよりも得意である。
得意、というのは間違っているかも。
楽、という表現が近いか。

クイズ番組なんかで一定時間少しづつ映像が変化して行く様を見せられ、最初と最後で違う所は何?
みたいなのがあるが、あれは難しい。
情報量が小さけりゃいいんだろうけど。
ある一定より情報量が大きいと全体を把握できないもんな。
その細部が変化しても認識できない。
逆に映像の方が僕らが認知できる(識別しようとする)情報量が多いとも言えるのか。
色、形、様態、動き……

それに比べると。
「みゆき」→(この間に「み」から「こ」へと連続的な音声変化を機械で作って断続的に聴かせる)→「こゆき」、とやって。
さて?と訊かれればすぐに分かりますわな。
音声の中で言葉として機能する情報量(領域)はごく限られている。
だから分かり易い。

で、僕がいないときのこゆき。
映像から判断する。
様子を見ていると、何かいらいらしているよう。
これは長年の付き合いで映像だけでも総合的に分かる(笑)
尻尾、顔つき、キックキック…

分かり易い音声の言葉が彼女らにはないから何を言おうとしているかはっきりとは分からない。
僕がいないから寂しいのか…なんて勝手に読んだりする。



…これに20時前というコンテキストを付けるだけで。
あ〜、バルに行きたいんだ、という推察ができる…

「KYと 読まれる君の 幸せよ」

2010年10月10日日曜日

河畔と大学

7、8日と、サラゴサ言語学セミナーに出てきた。


サラゴサ大学の言語学者を中心に活動しているグループが催したセミナー。
メンバーを見るととても面白そうだったので行ってきた。


このセミナーの情報はアウトノマ大学に留学している日本の後輩が教えてくれた。
もちろん海外からは招待客をのぞいては僕らのみで。
結果、すごく刺激的で面白かった。

5年ほど前にメキシコのモンテレイの学会で会った、R. Maldonado 教授が招かれていて。
覚えてくれていたのには驚いた。
2年前、ウルグアイのモンビデオでも遭ったっけかな?…もしかしたら。
僕が覚えていない…(笑)
相変わらず、Majo(おとこまえ)だ。

2日目の午後は抜け出して。
サラゴサの街を散策。

ローマ時代の遺跡、カエサラウグスタ劇場



12日が1年でこの地が一番盛り上がるピラール祭で。
ピラール聖母教会の周辺は準備で大変。
実質この8日からフィエスタが始まる、と教会の中でお祈りが捧げられていた。


今回の発見。…あ、仕事以外で(笑)
一人旅が辛くなってきた(笑)
連れがいるのは面倒なことが多いのだが、特にこゆきは。
如何せん、この半年、いや、日本も含めて数年、一緒に旅をするので。
あのウザサが病み付きになっているのかも(笑)
数年前までは、旅行は一人でするものだと思っていたが。
いや、今でもそう思ってはいるのだけれども。
…慣れとは怖い。
「慣れるのは、頭ではなく、体だ」からだ。

ひとりには広いだろう…(笑)45€

そして帰省後。
マドリードは雨。


濡れるほど深まりぬるは秋の色。

2010年10月5日火曜日

出会と意識

ツイってみたりもしたが。
この池谷さんの対談はすごくいい。
常日頃感じて来たことを、脳、という場でひとつ証明してくれているように思う。


言葉を研究していると、分かっていることを研究しているジレンマがある。
無意識あるいは意識的に分かっていること、を記述するわけだ。
しかし、これは言語に限ったことではない。
理系と言われる多くの分野でも同じことだ。

リンゴの落ちる落ち方、速度や時間が計れても。
どうしてリンゴが落ちるのかは永遠の謎である。
引力、という言葉が発明されても、引力の存在の謎が解明されたわけではない。
そして、リンゴはさっきと同じように落ちたり、落ちなかったりする(笑)

一度会ってお酒を飲みたい。
いや、飲まなくてもいいのだが(笑)
どうやらスペイン好きらしいし。
同い年だし(笑)…かんけーない。


僕には会いたい人リスト、というのがあって。
残念ながら最近、会いたかった人リスト、に移行してしまった人も随分いる。
鬼籍にお入りになって。


不思議なのは、会いたいな、と思っているとチャンスが巡って来ることだ。
全く接点のなかった人にも僕は何人か会ったことがある。
会うというのは、見るのではなく、お話をするということ。
人の繋がりもあるが、偶然もある。

落語家・柳家花緑(小さんの孫ね)さんとは、偶然電車で会って話をしたことがある。
話しかける僕も図々しいね(笑)
話題はもちろん話術(笑)
彼は電車で移動するんだって。


これも会いたいと思うことで、無意識が会える方向に努力させているのかもしれない。
意識なんて本当に氷山の一角だもんなぁ。

2010年10月3日日曜日

郊外と顔無

最近のネタで。

3 ** プッ
9月29日、ゼネストがあった。
僕ら世代の日本人には馴染みがない。


もはや、スペインでも毎日営業する店が多い中。
スト自体が地に足がついてないようにも、外国人の我々からは見える。

でも、こんなにショーウィンドウをされちゃうと。


営業妨害以外のなんでもないような…。

ピケが道路でものを燃やして封鎖するニュースが折々流れた。
まぁしかし、こういうエネルギーがまだスペインにはある、とも言える。


3 ** プッ、3 ** プッ
昨日、冬支度をするために、郊外の大型マーケットに。
最大の目的は IKEA。
来西して2度目。


郊外を歩いていると、スペインでもないしどこでもないような感覚に。
「顔のない街」である。
郊外のごく最近開発された街。
「どこにでもある、どこでも通用する」ことが「国際的」ではないな。
と、連れ合いと。
そこでしか、局所でしか通用しないことを極める方が、やっぱりより国際的でありうるのだ。
と、当たり前のことを再確認する IKEA。


3 ** プッ、3 ** プッ、3 ** プッ
この頃スペインは夜の8時には日が落ちるようになった。
夏の盛りには10時まで明るい。


就寝時には窓のブラインドをピシッと閉める季節がやって来た。
IKEA で買った毛布を出す日も近い。

2010年9月29日水曜日

授業と秋空

日本の大学も始まったとメールその他で聞き。
もちろんスペインの大学も 2010-2011年コースが月曜から始まった。


6月までと同様、母校コンプルテンセのマスターの授業をいくつか聴講に。


言語学専攻は午後の授業。
水曜以外午後6時から9時くらいまで。
その後クラスメイトと話していると1時間くらいはすぐに経つ。
面白い学生がたくさんいる年で幸運だ。


夏は終り。
空はどんどん高くなるばかり。


レティーロの紅葉も進んでいる。


夏のように一緒にいることができないので。
こゆきはちょっと不機嫌だけれど。


休みの日にはゆっくり散歩。


大学のキャンパスはだだっ広いので。
見上げると高い空に落ちて行きそうになる。

本格的に後半再開。

……で、このお菓子を見るといつも勤め先を思い出す。
ドキョー…


ドラえもんのシールが40種類あるらしく。
連れ合いは全部揃える気でいる(笑)
中身がチョコレートのどら焼き(もどき)。
味は悪くない。

2010年9月26日日曜日

南部と迷路

先週頭にコルドバ→グラナダ旅行に行って来た。
知人に会わない旅行は久しぶり。



だらだら旅行(笑)

名所旧跡には犬が入れない。
ので、僕はコルドバでメスキータには入らず、グラナダではみな、アルハンブラには入らない。
恐らく、地元の人間以外でこんな旅行をする人はいないだろう。
最高に贅沢だ。

コルドバから、夜にグラナダに着いて。
ホテルが予想以上に良く。
みな満足。

スペインは値段が人にかかるのではなく、全て部屋料金。
今回のホテルはふたりで朝食付き二日で 140€。
1日計算ひとり35€=4000円くらい。

次の日もお散歩気分で。



アルバイシンの坂をこれだけゆっくり歩いたのは初めてだった。

グラナダ1日目の目玉は夜のアルハンブラ。
中ではなく向かいの丘からイルミネイトされているところを。
これはすばらしい。


グラナダ2日目も散歩しながら。
今度はアルバイシンの反対側の展望台へ。
迷いに迷って、なんとか到着(笑)
アルバイシンの元来の目的にそのままハマった感じ。
戦時に相手を迷わす迷路道。



南部の小都市は、観光的には大きな場所だけれども、日本の田舎町と似た匂いがする。

2010年9月24日金曜日

出発と到着

日本から来るたくさんの友人たちと楽しんで。
この半年の区切りに、というわけではないけれど。
家族ふたりと一匹でコルドバ、グラナダを廻って来た。


ビデオは後日編集してから。


いつもそうだけど。
そして今さらだけれども。

旅に出ている最中はうちを思い。
家に戻るとまた旅に出たくなる。


もちろん、旅をしている最中は楽しいのだけれど。
心のどこかでうちを想っていて。
日常に戻ると、非日常を望もうとする。

旅先の目的地に辿り着く。
うちの玄関に辿り着く。
同じ「辿り着く」でも随分と意味が違う。
…いや、そう錯覚しているだけか?


日常の基盤。
安定。
ルーチンの中に潜る。
家族のいるところ。
家のあるところ。

日常、ってなんだろうな。
改めて、グルグルぐるぐる、考える。

マドリードに戻るとほっとする。
東京に戻ったらほっとする?
…なんかしなさそう。

四国の田舎は。
もう随分前から僕には非日常の土地になっている。


「日々旅にして旅を栖(すみか)とす」る芭蕉。
「夕乙鳥(ゆうつばめ)われには翌(あす)のあてもなし」と一茶。

定住近代よ。
うむ、日常。有無…。


こゆきも家に着くと喜ぶ。